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2007年4月24日 (火)

エピソード3 『運命』

エピソード3<br />
 『運命』
晴れの日でも雨の日でも何も感じる事はなかった。ただ過ぎて行くだけ。
同じことの繰り返し。決まった仕事。
ボクの人生、仕事しかなかった。


キミに出会うまでは。


この広い世界で出会えたことさえ奇跡なのに、ましてや好きになってしまうなんて。

恋なんて初めてだし、人を好きになるなんて考えたこともなかった。

それからの日々はキミ一色。

言葉を交わすことはなかったが、同じ空間にいられるだけで幸せだった。

仕事も今まで以上に頑張れた。

人を好きになるって何て素敵なことなんだ。


好きな食べ物は何だろう?趣味は何だろう?
音楽は何を聞くのかな?

毎日キミのことを考える。

ボクはロミオで、キミはジュリエット。

そうに違いない。

本気でそう思った。

ボクは決心した。

この気持ちをキミに伝えよう。

たとえ振られたっていい。
伝えないまま一生を終える方が地獄だ。

気持ちを伝えるだなんて、考えただけで死んでしまいそうだった。けど…

いつものようにキミがやって来た。

言うぞ。

今日こそ伝えるんだ。

好きだ、って。

意を決してボクはキミに近づいた。


その時だった。

ボクとキミのいるフロアの天井が崩れ落ちた。

ボクは建物の一部を止めるボルトだった。

結末は悲劇かもしれないけど、本気で人を好きになれたなら幸せなのかな。

愛してるよ。
おやすみ世界。

〓イシバシ〓

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